湊かなえさんの新作『暁星』をAudibleで聴きました。
『暁星』は11月27日発売の作品ですが、オーディオファースト作品のため、Audibleではひと足先に楽しむことができました。
朗読は人気声優の櫻井孝宏さんと早見沙織さんです。
丁寧で落ち着いた語り口が耳に心地よく、普段は速度を上げて聴く私でも、今回は声そのものを味わいたくて等倍速でじっくり聴きました。
現実に起こった事件を想起させるため、聴く前は少し抵抗もありました。
それでも、物語の全体像が見えてくる終盤には「もう一度最初から聴き直したい」と思えるほど作品の見え方が変わっていました。
ネタバレを避けつつ紹介したいと思います。
『暁星』とは
『暁星(あけぼし)』は、湊かなえさんの2025年刊行の最新作です。
物語は、現役文部科学大臣の清水義之が刺殺されるという衝撃的な事件で幕を開けます。
逮捕された永瀬暁という男性は、事件後、週刊誌に獄中手記を発表し始めます。
手記の中で事件の背景にある複雑な人間関係や、新興宗教団体「世界博愛和光連合(愛光教会)」との深い関わりが少しずつ明かされていきます。
一方で、式典に居合わせた女性作家が、この事件を題材に小説を執筆します。
「事実としての手記」と「作家による物語」という二つの視点が重なり合いながら、事件の真相へと迫っていきます。
タイトルの「暁星」は夜明け前に光る星のことで、暗闇の中でも希望の光を胸に生きる人間の姿を象徴しています。
派手な展開はありませんが、静かな緊張感と余白を大切にしていて、読みごたえのある文芸ミステリーになっています。
なぜAudibleで『暁星』を聴いたのか
高市総理の本を聴き終えたあと、偶然『暁星』の広告を見かけました。
文部科学大臣の刺殺事件や、新興宗教への恨みというキーワードが並び、どうしても安倍元総理の事件を連想してしまいました。
ちょうど高市総理の著書を聴いた直後でもあり、「これは運命かもしれない」と感じたのが、興味を持った最初のきっかけです。
朗読を担当しているのは、声優の櫻井孝宏さんと早見沙織さん。
アニメ好きのわが家ではお馴染みの二人で、大好きな声優でもあります。
さらに「オーディオファースト」という特別感にも惹かれました。
もともと「お得」や「限定」に弱い性格なので、その響きにも強く惹かれました。
そんな理由が重なり、Audibleで『暁星』を聴いてみることにしました。
Audibleで『暁星』を聴いた感想
再生時間は11時間38分です。
大好きな声優さんの声を存分に楽しみたかったので、等倍速で家事をしながら少しずつ聴き進めました。
聴き始めはやはり現実に起きた事件のことを強く思い出してしまいました。
前半の語りは櫻井さんが担当されていたのですが、淡々とした口調に「夏油味」もあって重い気分で聴き進めました。
進めても進めても暗い気持ちは変わらず、「結末はどうなるのだろう」という一点だけを支えに聴き続けました。
前半に関して最も感じたのは「主人公の冷たさに、なんだか違和感がある」でした。
後半の語りは早見さんです。事件現場にいた作家視点での話になります。
ここからの話はフィクションとして楽しめ、現実の事件のことはあまり思い出さずに聴けました。
章が進むごとに続きが気になって、事件の核心部分に迫る頃には聴き入っていました。
「はんぶんこ」のエピソードから、やはり前半部分で感じた「冷たさ」への違和感は気のせいではなかったと思いました。
「生きろ」や「ただ星を守りたかっただけ――」の意味がわかると、改めて前半部分を聴き返して『答え合わせ』をしたいと思ってしまいました。
おふたりの朗読は予想通り安定感があって素晴らしかったです。
まとめ
家事をしながら聴けるAudibleは、忙しい日でも時間を有効に使えるのが魅力です。
今回はオーディオファースト作品ということで、これから話題になりそうな作品を発売前に楽しむことができました。
朗読も櫻井孝宏さんと早見沙織さんのお二人で、耳が幸せな時間でした。
月額1,500円は決して安くありませんが、まずは無料体験でしっかり試せます。
気になっている方は、一度体験してみるのも良いと思います。

